AK−Learningを進めるために
として紹介します。
「子どもが楽しんだこと,夢中になったこと,遊んだこと」が学びにつながる!
そんな学習が少しの工夫で家庭でも実践できるのです。
AK−Learningは,自分で課題を決め,その課題についての情報を集め,整理し,ノートなどに様々な形式(レポート,新聞,リーフレットなど)でまとめる学習です。
このような学習を,子どもたちが自らの力で進めていくためには,学習方法を身につける必要があります。それをサポートするのが情報学習支援ツールの「パワーチェックカード」と「情報ハンドブック」です。
・5ミリ方眼のノートをおすすめします。なぜなら,集めた情報をシンキングツールで整理したり,新聞やレポートなどにまとめたりする際に,方眼をうまく活用することができるからです。また,方眼だとノートに書く文字の大きさも多様に書くことができ,読み手を意識してまとめることができます。
・「パワーチェックカード」には,学習の方法が「情報を集める方法」「情報を整理する方法」「情報をまとめる方法」「情報を伝える方法」の順にまとめられています。カードを見ながらどの方法で学習を進めるかを選びましょう。カードのLv(レベル)はその学年を対象に作られていますが,子どもの実態に合わせて適切なカードを選びましょう。
・「情報ハンドブック」には,「パワーチェックカード」に書かれた学習の方法についての解説が示されています。必要に応じて解説をみて,学習のヒントにしましょう。
・はじめてのAK−Learningは,まずパワーチェックカードを見て,気づいたことや思ったことなどをノートに書きましょう。
まとめ方に困ったとき,どんなふうに考えたらいいかわからないときにこのカードが役に立ちます。
また,このときに経験した方法の,チェック欄に記録をつけることを確認しましょう。記録することで自分がどの学習を行ったかがわかり,取り組んでいない学習に挑戦する気持ちにつながります。
・学習のテーマを前もって考えておくことが重要です。テーマが考えられずに時間が過ぎ去り,サイクル学習ができないということがよくあります。学習とすると,とても難しく考えてしまうかもしれませんが,学習のテーマは日常にたくさんあります。
AK−Learningのテーマ例
・写真付きの日記を書く
・担任の先生の紹介文を書く
・一輪車の乗り方について説明する
・野球の練習で教えてもらったことをまとめる
・面白かったテレビ番組のレポートを書く
・地球温暖化がなぜ起こるのか
・洗濯機の使い方について調べ,選択をしてみる など。
今まで,私が驚いたテーマは,
・レンブラントとフェルメールを比べよう。
→美術館にいって興味をもったことをまとめた学習
・戦国武将について調べよう。
→戦国武将に興味を持ち,大きな合戦があったところに行ったりしてまとめた学習
・お節料理について調べよう。
→お正月におせち料理を食べ,一つ一つにどんな意味が込められているかが疑問になって調べた学習
などでした。子どもたちの興味と,興味を持ったことを追究し学習を広げ深めていく力はすごいですね。
このように,日常生活の中に学習につながるテーマが転がっています。このように考えると子どもたちが興味のあるテーマを見つけ追究することができるのではないでしょうか。
・AK−Learningは計画的に行うことが大切です。面白くなって1日に何時間もやりすぎると,すぐに燃え尽きて続けられなくなります。毎日,コツコツ行うことが自ら学習を進めていく力を高めるのです。
個人差はありますが,
低学年なら30分から45分程度
高学年なら1時間から1時間半程度,が
1回の取り組みの目安です。
AK−Learningは面白くなると,時間を忘れて何時間も取り組んでしまいます。実際に「昨日は帰ってからずっとやっていて,気がついたら4時間もしていた。」という子が何人もいました。時間を忘れるぐらい集中できることは素晴らしいことですが,時間を決めて継続して取り組めるよう,計画を立てることが大切です。
慣れるまでは,30分ぐらいで終わるような簡単なもので構いません。テーマを変えて繰り返し挑戦することで,学習の進め方を身につけることができるでしょう。また,慣れてくれば,一つのテーマを1日ですべて終わらせる必要はありません。テーマを何日かに分けて取り組むことで,幅広い内容のAK−Learningになるでしょう。
親子で話し合い,紙に書いてみると良いでしょう。
学校ように1日5,6時間も取り組むことはむずかしいですし,無理をするとサイクル学習が嫌になってしまいます。無理のないスケジュールを組み,子どもが自分から取り組めるような計画を立てましょう。
子どもたちと関わる先生や保護者の方々も,子どもたちと毎日向き合い共に学習することは大変なことです。だから,うまく行かない日があってもいいんです。子どもたちと一緒に学習を続けるということが,子どもたちの心に残り,きっとその成果が現れてきます。継続は力なりです。頑張って下さい!!
・日付を書いておくことで,自分の成長を振り返ることができます。
・どのようなことを「めあて」に学習するのかをノートのはじめに書くことで,学習の目標を明らかにしましょう。また,「めあて」とともに,なぜその学習に取り組んだのかの「きっかけ」も書いておくと,どんなことに興味をもっているのかがわかるようになっていきます。
・どのように学習を進めていくのかの計画を書きましょう。このときに「パワーチェックカード」を見ると計画が立てやすいです。カードには,情報を集めるには『A』,集める方法には『a』,インターネットで調べる『1』といったように記号がついています。これらを『A,a,1』といったように書いていくと素早く計画が立てられるようになるでしょう。
・学習計画を見ながらAK−Learningに取り組みましょう。時間を決め,時間内に終わらないときは無理をせず次の日にやりましょう。早く解決することが目標ではなく,ゆっくりでもいいので深く学ぶことが大切です。学習を進める上で興味深いところがでてきたら,学習計画を変更するのもよいでしょう。
・AK−Learningは,情報を「集める」「整理する」「まとめる」「伝える」のステップで進みます。学習中も,どのステップをやっているのかということを考えながら学ぶことが重要です。
◆「字がうまくない,きれいにまとめられていない!!」ということに、気になることもあるかと思いますが,そんなことは気にしなくてもいいんです。
大切なことは,子どもたちが一生懸命,追究しようとしているかです。ak-learning では,熱心に調べたり,まとめたりする姿を目指します。
だからこそ,短時間でも深く集中できる時間で行う必要があるのです。文字やまとめ方の良し悪しでなく,子どもが追究しているか?集中しているか?そして,追究,集中の足跡がノートに表現されているかを見てください。
・学習の最後は,自分の学習を振り返りましょう。振り返るときには,「どんなことができたか」「この学習でどんなことがわかったのか」「この学習に続けて,次にしたいことは何か」「この学習で取り組んだ学習の方法は良かったか」「他に試してみたい方法はあるか」といったように学習の内容と方法について振り返ることができれば素敵です。
・子どもたちが学習をしている間は,できるだけ見守る姿勢が大切です。ただ,困っている姿が伺えるようであれば,「何がしたいの?」「どのようにしたいの?」と子どもがしたいことを引き出す声掛けをすることが効果的です。
・学習が終わったら,とにかく良いところをたくさん見つけて褒めましょう。「ここの文章がとても良くわかる。」「この写真のとり方がとてもわかり易い」「この図があるから伝えたいことがとても良く伝わる」「この学習計画は,先のことがよく考えられている」など,良いところを具体的に認めることで,次の学習の意欲につながります。
・情報を集める方法には,様々な方法があります。低学年は見たり,触ったり,匂いをかいたりと五感を働かせて情報を集める体験が重要です。中・高学年になればICTを積極的に活用して情報を集めることで,学びが広がり深まります。
・情報を集めるICT等『インターネット,デジタルカメラ(静止画,動画),ICレコーダー,Google Form』
・集めた情報を理解し,考えたことや伝えたいことを明らかにするために,情報を整理する必要があります。そのように集めた情報を理解するために,コンピュータを使って表やプログラムに整理したりすることにも挑戦してみましょう。
・情報を整理するためのICT等『表計算ソフト,プログラミングソフト(Scratch,Swift Playgrounds など),ロイロノート』
・整理した情報を文書作成ソフトやプレゼンテーションソフト,動画編集ソフトを使って資料にまとめましょう。これらのソフトを使って情報をまとめると,写真や動画を資料に入れたり,集めた写真や動画を編集しオリジナル動画を作成したりすることができます。
・作った作品を誰かに見てもらったり,コメントを貰ったりすることは嬉しいことです。自主学習で作成した作品をYouTubeや,G−suite,SNSを使って発信することも楽しい学習につながるでしょう。しかし,インターネット上に個人情報を掲載誌たり,他人の写真などを無断で掲載することはトラブルの原因になりますの十分に注意して行うようにしましょう。